集団災害時における一般医の役割

〜 Mass-gathering medicine 〜

ビデオテキストブック


1.Mass-gathering medicine

<Mass−gatheringとは>

 Mass−gatheringとは共通した目的で、1,000名以上の方が同一時間、同一地域に集合するものと定義されている。

 Mass−gatheringは具体的には、祭り、催し物、音楽コンサート、野球、サッカー等のスポーツイベント、花火大会等があげられる。これらは、日本国内では日常的に行われており、かつ、その規模は大きくなる傾向にある。それに伴い、集団災害のリスクも増加してきている。

 欧米では、Mass−gatheringにおける集団災害の過去の事例は多く、Mass−gatheringに対する救急・集団医療体制は日常的に準備されている。

 近年、国内においてもMass−gatheringにおける集団災害は発生している。2000年6月には札幌・YOSAKOIソーラン祭りテロ、2001年7月には兵庫・明石花火大会事故等その対応については論議をんでいる。

 Mass−gatheringにおける集団災害に影響を与える因子としては、天気、気温等の環境状況、試合に興奮する群集心理、パニック、暴動、建物の崩壊等があげられる。また、オリンピックや国際サッカー大会等の国際イベントでは、テロリズム、フーリガン等の因子が集団災害に直結する。

 テロリズムにおいては、近年NBC(N:Nuclear,B:Biological,C:Chemical)への対応が必要である。Mass−gatheringにおいては、NBCによるテロは甚大な被害を及ぼす。

 Mass−gatheringでは、一旦災害が起これば人々が密集しているため、パニック状態も加わり、多くの死傷者を出すことになる。Mass−gatheringにおける集団災害は事前の周到な災害医療計画に基づく準備が必要となる。

 このビデオでは、Mass−gatheringにおける集団災害医療、NBC災害について、どのように考え、どのように準備し、どのように対応するのかを提示する。

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