C型肝炎とは?

Q1:C型肝炎とは何ですか?

 C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV))の感染によって起こる肝臓の病気です。

 肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。

 肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、重症化するまでは自覚症状の現れないという特徴があります。これは本来肝臓がもっている予備能の高さに由来しています。このことを正しく認識し、HCVに感染していることがわかったら症状がなくてもきちんと検査をして病気を早く発見することが大切です。

 肝臓の働きには、

* 栄養分(糖質、たん白質、脂肪、ビタミン)の生成、貯蔵、代謝、

* 血液中のホルモン、薬物、毒物などの代謝、解毒、

* 出血を止める、

* 胆汁の産生と胆汁酸の合成

* 身体の中に侵入したウイルスや細菌の感染を予防する、

* などがあり、我々が生きていくためには健康な肝臓であることがとても大切です。

 C型肝炎の特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。

* C型肝炎はウイルス肝炎の一種である

* C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染によっておこる

* C型肝炎ウイルスは、血液を介して感染する

* 急性期では、A型、B型肝炎に比べて症状が軽いことから、気付かない場合が多い。

* C型肝炎ウイルスに感染すると、70%前後の人がC型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)となる

* C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)の65%から70%は、慢性肝炎となる

* 40歳のC型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)集団を70歳まで適切な治療をせずに放置した場合、20〜25%の人が肝がんに進展すると予測されている

* C型肝炎は抗ウイルス療法により完全に治癒することがある

* 完全に治癒しない場合でも、肝庇護療法により肝炎を沈静化させることができる

 

Q2:C型肝炎の原因は何ですか?

 ウイルス肝炎のうち、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によるものをC型肝炎と呼びます。

 C型肝炎ウイルス(HCV)はかつて非A非B型肝炎ウイルスと呼ばれていたものの1つで、1988年にアメリカでその遺伝子の断片が見出され、1989年には診断ができるようになり、これに引き続いてウイルスの本体も明らかにされたことから、C型肝炎ウイルス(HCV)と名付けられました。

 今日では、かつて非A非B型肝炎と呼ばれていたもののほとんどがC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によるものであることが明らかになっています。

 

Q3:C型肝炎になると、どのような症状がありますか?

 C型肝炎ウイルスに感染すると、全身けん怠感に引き続き食欲不振、悪心・嘔吐(おうと)などの症状が出現することがあります。これらに引き続いて黄疸(おうだん)が出現することもあります。黄疸以外の他覚症状として、肝臓の腫大がみられることがあります。しかしほとんどの場合、自覚症状がないままで経過し、このような場合も含めてC型肝炎ウイルスに初めて感染したヒトの70%前後は持続感染状態に陥る(キャリア化する)ことが知られています。

 C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)の65%から70%は慢性肝炎と診断されますが、慢性肝炎の場合でも、自覚症状がない場合が殆どです。