Q33:C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)が他人へのC型肝炎ウイルス感染を予防するにはどうすればいいですか?
感染している方は、
* 献血をしない、臓器や組織を提供しない、精液を提供しない* 歯ブラシ、カミソリなど血液が付着するようなものを他の人と共用しない
* C型肝炎ウイルスが感染しないように、皮膚の傷を覆う
* 月経血、鼻血などは自分で始末する
などを注意すれば、他人に感染させることはありません。
Q34:一般に血液からの感染を予防するにはどうすればいいですか?
まだ、感染予防のためのワクチンは出来ていません。C型肝炎ウイルスに感染している人の血液になるべく触れないことが大切です。具体的には、以下のようなことに気をつけるだけで感染はおこらないことがわかっています。要は、常識的な社会生活を心がければ、感染することはないと考えられています。
* 歯ブラシ、カミソリなど血液が付いている可能性のあるものを共用しない。* 他の人の血液に触るときは、ゴム手袋を着ける。
* 注射器や注射針を共用して、非合法の薬物(覚せい剤、麻薬等)の注射をしない
* 入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる。
* よく知らない相手との性行為にはコンドームを使用する。
また、以上の行為の中には、そもそも違法なものが含まれています。感染する危険性が極めて高いことは言うまでもありませんが、行わないようにすることが基本です。
なお、現在、献血された血液はC型肝炎ウイルスのチェックが行われており、ウイルスが含まれる場合は使用されていません。
しかしQ19に示したように、輸血用血液や血液製剤の安全性の確保には万全を期することが大切ですので、C型肝炎ウイルスに感染している、あるいは感染の疑いのある場合、C型肝炎ウイルスの検査の目的での献血は決して行わないようご協力をお願いします。
Q35:C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)は性行為で何に気をつければいいですか?
性行為によりC型肝炎ウイルスに感染することははまれとされていますが、パートナーへ感染させる可能性を更に下げるためには、予防としてコンドームを使用するのが一番です。また、パートナーもC型肝炎ウイルスの検査を行うことをお勧めします。
Q36:C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)は日常生活で何に気をつけて生活すればいいですか?
* 規則正しい生活をすることを心がける。* 飲酒を控える。
* 定期的に医療機関を受診する。
* かかりつけ医師が処方した薬を勝手に止めたり、かかりつけ医に無断で薬(病院、薬局、民間療法含む)を服用したりしない
等が大切です。
なお、C型肝炎ウイルスはくしゃみ、せき、抱擁、食べ物、飲み物、食器やコップの共用、日常の接触では感染しません。また、C型肝炎ウイルス感染者だからといって、職場や学校などで差別を受けるような理由はありません。
<参考>
ウイルス性肝炎の感染者や患者の団体があり、電話相談等も受け付けています。
日本肝臓病患者団体協議会
〒116-0033東京都新宿区下落合3-6-21-201号
TEL:03-5982-2150(月〜金10:00〜16:30)
FAX:03-5982-2151
URL:http://members.tripod.co.jp/sin594/
E-mail:tokankai@atlas.plala.or.jp
全国肝臓病患者連合会、東京肝炎の会
〒156-0043東京都世田谷区松原1-12-3-102号
TEL:03-3323-2260(月、水、金13:00〜17:00)
FAX:03-3323-2287
URL:http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/9112/
E-mail:zenkanren@geocities.co.jp
Q37:C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)はA型やB型肝炎の予防接種を受けた方がいいですか?
現在C型肝炎ウイルスに感染しているからと言って、一般に、A型肝炎やB型肝炎に感染する危険度が他の人に比べて高いというわけではありません。
しかし、C型肝炎にA型肝炎やB型肝炎を合併すると、更に肝臓に対する負担が大きくなる可能性があります。
従って、A型肝炎ウイルスに対する免疫を持たない(HAV抗体陰性の)人がA型肝炎が常在する外国へ長期に出張するなどA型肝炎ウイルスに感染するリスクが高いと考えられる場合や、B型肝炎ウイルスに対する免疫を持たない(HBs抗体陰性の)人で、医療関係者などのように他人の血液にふれる機会が多く、B型肝炎ウイルスに感染するリスクが高いと考えられる場合には、一般の人と同様にA型肝炎や、B型肝炎ワクチンの接種をお勧めします。