健第224号
平成15年5月7日
新潟県医師会長 様
郡市医師会長 様
新潟県福祉保健部健康対策課長
香港等における原因不明の重症急性呼吸器症候群(SARS)の集団発生に伴う対応について(第5報)
このことについて、平成15年4月9日付健第40号により依頼申し上げたところです。本症候群について、現在までの知見及び厚生科学審議会感染症分科会において取りまとめられた意見等を踏まえ、厚生労働省より別紙通知(健感発第0502001号…第11報)が出されましたのでお知らせします。
ついては、下記事項について貴会員に御周知いただきたくお願い申し上げます。
なお、病院長には健康福祉(環境)事務所を通じて通知しています。
1 通報対象について
従来、SARS(重症急性呼吸器症候群)ついては、SARS可能性例のうち、他の診断によって説明がつかないもの又は3日以内に標準の抗生剤治療等により症状の改善が見られないものを、「SARSの所見がある者」として都道府県知事等から厚生労働大臣への通報の対象としてきたが、SARS可能性例についても「SARSの所見がある者」として厚生労働大臣への通報の対象とすることとされたこと。
2 入院について
SARSの所見がある者(SARS可能性例を含む。以下同じ)について、県より厚生労働省へ通報し、指導・助言を受けた上で、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「法」という)第46条に基づき、10日間の入院勧告を出すことができるとすることとされた。これに伴い、SARSの所見があるものとして入院している機関の入院費用を公費により負担することとされたこと。
3 退院について
SARSの所見がある者については、症状が消滅し、SARSを公衆にまん延させる恐れがないとされた場合は、県より厚生労働省へ通報し、指導・助言を受けた上で、法第48条に基づき、10日間の経過を待たずに退院させてよいこととされたこと。
4 健康診断について
SARSの所見がある者の家族や職場の同僚等のうち、必要な者に対して、県より厚生労働省へ通報し、指導・助言を受けた上で、法第45条に基づき、健康診断受診の勧告を出すこととされたこと。
(注:5月8日改正一部されました)
SARS疑い例
2002年11月1日以降に38度以上の急な高熱及び咳、呼吸困難等の呼吸器症状を示して受診した患者のうち次のいずれかの条件に該当する者
*発症前10日以内に、原因不明の重症急性呼吸器症候群の発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者*発症前10日以内にSARSの患者を看護又は介護していた者
*発症前10日以内にSARSの患者と同居していた者
*発症前10日以内にSARSの患者の気道分泌物又は体液に触れた者
SARS可能性例
SARS疑い例のうち、次のいずれかの条件に該当する者
*胸部レントゲン写真で肺炎又は呼吸窮迫症候群の所見を示す者*原因不明の呼吸器疾患で死亡し、剖検により呼吸窮迫症候群の病理学的所見を示した者