長岡市医師会ホームページ


こどもの急病・事故


製作:新潟県  監修:新潟県医師会

(※新潟県のホームページに掲載されているPDFファイルの内容を転載したものです。)


< も く じ >

上手な受診のしかた
 1.お子さんの様子を観察しましょう
 2.かかりつけ医(ホームドクター)を持ちましょう
 3.できるだけ昼間に受診しましょう
●気になる症状
 1.発熱
 2.けいれん(ひきつけ)
 3.せき・喘息(ぜんそく)
 4.嘔吐
 5.腹痛
 6.下痢
●けが・事故
 1.誤飲・窒息 2.打撲 3.やけど 4.切り傷・すり傷 5.溺水(おぼれた時) 6.鼻血 7.異物が入った
●薬の上手な使い方
 1.薬の正しい保管のしかた
 2.事故・中毒をふせぐために
●救急車を呼ぶ時は
 1.まずは落ち着いて
 2.伝えるべきこと
 3.救急隊の指示を守る
 4.医師からもらっている薬があれば、必ず持って行く


上手な受診のしかた

■お子さんの様子を観察しましょう
 お子さんの異常に気づいた時は、よく様子を観察しましょう。医師はお母さんの話を聞いたうえで診察し、いろいろな病気の可能性を考えて必要な検査をします。
 「食欲はあるか」「熱はあるか」「機嫌はどうか」「下痢はどうか」、また、「いつ頃から症状があるか」「今までかかった病気はあるか」「(他の病院にかかっていれば)薬はどんなものを飲んでいるか」など、要点を簡潔にまとめておくと良いでしょう。

■かかりつけ医(ホームドクター)を持ちましょう
 お子さんの様子は成長とともに変化します。それらの変化を把握し、何でも相談出来るかかりつけの医師(ホームドクター)を持ちましょう。
 他の診療科や、総合病院での受診が必要であれば、かかりつけ医に紹介してもらえます。まずは、かかりつけ医に相談し、医療機関は適切に受診しましょう。

■できるだけ昼間に受診しましょう
 診療には、医師だけでなく看護師、検査技師、薬剤師など多くのスタッフが関わっています。昼間の診療時間内には、これらのスタッフが揃っているので、検査、投薬などもスムーズに受けられます。すぐに救急外来を受診しなくてもよい時は、通常の、昼間の診療時間に受診しましょう。

 「夜間の方がすいているから」「昼間は仕事があるから」などの理由で、軽い症状でも病院の休日や夜間の救急外来を受診する方が増えています。このため、救急外来が混み合い、本当に重症で救急対応が必要な患者さんの診察が遅れるなど、重大な結果を招きかねません。休日や夜間の救急外来は、本当に必要な時のみ利用するようにしましょう。
 また、救急外来では、数日分のくすりを出すことはまずありません。必要であれば、昼間に小児科を受診しましょう。


気になる症状「発熱」

■こどもの普段の体温を知っておきましょう
 乳幼児・小学生の体温の正常範囲は、おおむね37.4度くらいまでです。その範囲内での体温の上下は大丈夫。さらに、日頃からお子さんの体温(平熱)を知っておけば安心です。
 体温の正しいはかり方…体温のはかり方には何通りかありますが、最もポピュラーなもの「腋の下ではかる腋窩検温」を紹介します。

 まず、汗をかくことを考えて
体温をはかる前に腋の下を
タオルなどで拭いておきましょう。

 腋の下のくぼみに体温計の先端を当てたら
腕を自然なかたちで下げさせます。

■しばらく様子をみても大丈夫な場合 … きげんがよいとき  食欲があるとき

■家庭での対処法
 腋の下や首筋などに冷えたタオルなど(ビニール袋に入れます)をあてて、冷やします。ただし、冷やしすぎには注意すること。直接エアコンなどの風を当ててはいけません。熱が高くても寒気のある場合(顔が青白い、手足が冷たいなど)は、逆に一枚多く着せてあげましょう。
 水や湯冷まし、薄めたイオン飲料などで、水分を補給しましょう。
 安静を保つようにしましょう。

■すぐに受診が必事な時
 ・4か月未満の赤ちやんが高熱(38度くらいが目安です)を出した時
 ・きげんが悪く、食欲もない時
 ・意識がはっきりしない時
 ・顔色が悪く、呼吸が苦しそうな時
 ・けいれん(ひきつけ)を起こす時
 ・嘔吐や下痢が激しく、何度も続く時

気になる症状「けいれん(ひきつけ)」

■まずは落ち着いて!
 けいれんはこどもの約5〜10%が経験すると言われています。短いけいれんなら命に関わることは滅多にありません。けいれんの原因が脳炎や急性脳症でない限り、後遺症が残ることもまずありません。
 まずは落ち着いて、「けいれんの様子」「熱の有無」「けいれんしていた時間」等を観察してください。メモをとるとなお良いでしょう。診察の時の大事な情報です。
 呼吸の確保のために着衣をゆるめ、吐いた物が気管に入らないよう、体を横にしてあげてください。

 お子さんを揺すったり、名前を呼び叫んだりといった刺激は逆効果。とにかく落ち着いて、冷静になることが大事です。

■しばらく様子を見ても大丈夫な時
 発熱によるけいれん(熱性けいれん)…体温が急激に39度くらいに上がった時に起こりやすいけいれんです。普通は5分以内に収まり、しばらく眠ってから目覚めます。あまり心配はありませんが、落ち着いたら通常の診療時間に小児科へ。
 泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)…はげしく泣いたり、かんしやくを起こした後などに、顔色が青ざめて息が止まったようになり、ひきつけを起こすことがあります。1分くらいで収まり、自然に回復するので心配ありません。

■すぐに受診が必事な時 〜救急車を呼んでください〜
・熱がないのにけいれんを起こした時
・けいれんが治まって1時間以上たっても、意識が戻らない時
・短時間に何度もけいれんを起こす時
・けいれんの後に繰り返し嘔吐する時
・体の片側だけ強くひきつける時  など

気になる症状「せき・喘息(ぜんそく)」

■喘息とは
 
喘息とは、気管支の内側にダニやほこり、食品などによるアレルギー反応が起こり、腫れ上がって気道が狭くなるため、呼吸が苦しくなり、はげしい咳などの症状が出る病気です。
 発作の誘因としては、他に「天候」、「季節」、「体調」、「ストレス」などがあります。
 発作が起きたら、水分を充分摂らせること。痰(たん)が切れやすくなります。
 小さいお子さんには難しいかも知れませんが、痰(たん)が出てきたら、飲み込ませないように吐き出させてください。
 発作時のくすりを医師からもらっていれば、指示されたとおりに使ってください。発作がおさまれば、昼間に医療機関を受診しましょう。

■しばらく様子をみても大丈夫な時(通常の診療時間に受診しましょう)
 
・全身状態が良く、元気な時
 ・のどが「ゼイゼイ」鳴っているが、呼吸が苦しい感じがない時
 ・咳が出ても食欲があり、遊びもするし、熱もない時

■すぐに受診が必要な時 〜かかりつけの医療機関へ行くか、救急車を呼んでください〜
 
・顔色が悪く、呼吸が苦しそうな時(チアノーゼ)
 ・息を吸う時に、肋骨の間や鎖骨の上、のどの下がへこむ感じの時(陥没呼吸)
 ・はげしい咳をした後、息をヒューッと吸い込む時
 ・呼吸が困難で、横になることもできない時
 ・犬が吠えるような、かん高い咳をする時
 ・くすりを使っても喘息の発作が治まらない時

気になる症状「嘔吐」

■家庭での手当て
 
吐いた物が気管に入らないように、体を横にしてあげてください。

 吐き気が落ち着いたら、水分補給のために湯冷ましやお茶、イオン飲料を薄めた物などを少しずつ飲ませましょう。
 食事は消化の良い「おかゆ」や「うどん」などを少量から与え、乳製品や油の多いものは避けましょう。

■しばらく様子をみても大丈夫な時
・吐いた後、ケロッとしている時。咳をしているお子さんが、飲みこんでしまったタンが胃に溜まって吐くことがあります。その場合は、吐いた物にタンが混じっているので分かります。吐いた後は機嫌がいいです。
・下痢、熱などがなく、全身状態がよい時

■すぐに受診が必要な時
・嘔吐と下痢を繰り返す時
・おしっこが半日くらい出ず、唇や舌が乾いている時
・吐いた物に血液が混じっている時
・はげしい腹痛や頭痛を伴っている時  など

気になる症状「腹痛」

■腹痛のサインは
 
わけもなく繰り返し泣く、足をおなかに引きつけて泣く…こんな時は、腹痛を疑ってみてください。

■しばらく様子をみても大丈夫な時
・きげんが良い時
・唇や舌が乾いていない時

■すぐに受診が必要な時
・顔色が悪く、ぐったりしている時
・元気が無く、ゴロゴロばかりしている時
・おなかを触ると激しく痛がり、苦しむような時
・発熱や下痢、嘔吐を伴う腹痛の時や、血便がある時は要注意です。(腸重積の場合があります。)

気になる症状「下痢」

■家庭での手当て
 
水分補給のために湯冷ましやお茶、イオン飲料を薄めた物などを少しずつ飲ませましょう。ただし、ジュース、アイスクリームなどの冷たいものは、腸を刺激してますます下痢をしてしまうので注意しましょう。
 お尻がかぶれないよう、シャワーなどで洗ってあげましょう。
 家庭内での感染防止のため、手洗いや排泄物の始末に注意しましょう。

■しばらく様子をみても大丈夫な時
・全身状態が良く、元気で、食欲がいつもと変わらない時

■すぐに受診が必要な時
・便に血液が混じっている時や、頻回の水様便の時
・はげしい腹痛や嘔吐を伴う下痢の時
・脱水が強く、唇や舌が乾いている時


けが・事故「誤飲・窒息」

■こどものそばに置かないで! 〜誤飲・窒息の原因になります〜
◇誤飲
 ・コイン、ボタン、ボタン型電池など
 ・医薬品、化粧品、殺虫剤、洗剤、たばこなど
 ・ピン、釘、ガラス片など
◇窒息
 ・ピーナッツ、枝豆などの豆類、あめ玉、キャラメル、こんにゃく(ゼリー)など
 ・ビニール袋、ひも類や電気コード、柔らかい布団、コインなど

■のどに詰まってしまったら 〜救急車を呼んでください〜
 
詰まった物が見える時は、指でかき出します。その際、あわててのどの奥に押し込まないように注意しましょう。
 ひざを立ててお子さんのおなかを乗せ、
背中を強くたたきます。お子さんの口は
開けたままです。

 つまった物を吐かせる場合に、
「ハイムリッヒ法」という吐かせ方も
あります。

「ハイムリッヒ法」
 お子さんのみぞおちに
 手が当たるようにして

 そのまま上(後方)に
 引っ張り上げます。


 呼吸・心拍が止まった時は、心臓マッサージをしながら救急車を待ってください。
 詰まった直後は何もなくても、詰まった物が時間とともに水を吸って膨らみ、窒息する場合もあります。お子さんの様子に気を付けましょう。
 はしや鉛筆を口にくわえたまま遊ばせてはいけません。ころんでお子さんののどに刺さってしまうことがあります。

■飲みこんだ危険物による対応

すぐに吐かせる
吐かせずに受診
しばらく様子をみる
ワックス
台所用洗剤
アルコール
コーヒー
整髪料
化粧品
医薬品
たばこ
石けん
灯油
シンナー
マニキュア除光液
トイレ用洗剤
カビ取り剤
漂白剤
油性塗料
画びょう・針・安全ピン
ガラス片
殺虫剤
除草剤
生石灰
ナフタリン
しょうのう
マッチ
芳香剤
乾燥剤
クレヨン
口紅
粘土
マーカーペン
蚊取り線香
体温計の水銀

■すぐに受診が必要な時 〜救急車を呼んでください〜
・医薬品、殺虫剤、洗剤などを飲んだ時
・灯油、シンナー、マニキュア除光液などの揮発性の液体を(実際に飲んではいなかったとしても)飲んだと疑われる時
・意識がない時
・けいれんを起こしている時
・顔色が悪い時や、呼戟の仕方がおかしい時
・嘔吐が止まらない時

■窒息を起こさないために
・柔らかい布団、重たい布団は使わない
・ビニール袋やひも類で遊ばせない
・こどもの手の届く範囲に、こどもの口に入りそうな大きさの物を置かない
・白歯が生えるまでは、豆類など、かみ砕かないといけない食品は与えない
・あめ玉などを与える時は、飲み込まないよう十分注意する

けが・事故「打撲」

■頭を打ったら
・すぐに泣いて、その後機嫌も良く、食欲もある場合は
 (1)頭を高くして寝かせ、頭部を濡らしたタオルなどで冷やし、様子を見ます。
 (2)頭を打った当日は安静にし、入浴も控えましょう。
 (3)2〜3日は注意深く観察し、吐き気があったり、いつもと様子が違う場合、すぐ頭部CT検査の可能な病院(脳神経外科など)を受診してください。
・意識がない(すぐに泣かない)時や吐き気がある時、けいれんが起きた時などは、すぐ救急車を呼ぶか、頭部CT検査の可能な病院(脳神経外科など)を受診してください。

■胸・おなかを打ったら
・着衣をゆるめ、楽に呼吸ができるようにして、様子を見てください。
・顔色が悪い場合や腹痛のある場合、血尿や耳、鼻から出血のある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

■目・耳を打ったら
・目を強く打った場合は、氷水に浸したタオルなどで冷やし、清潔な布などで覆ってすぐ眼科を受診してください。
・耳を強く打った場合、耳の中を突いた場合は、すぐ耳鼻科を受診してください。

■手足を打ったら
・はげしく痛がる場合や患部が変形している場合、痛めた部分に大きな傷がある場合、患部を動かせない場合は、患部を固定し、すぐ外科・整形外科を受診してください。
・腕、ひじ、足などが曲がっている場合は、板や厚紙、新聞紙をかたく丸めた物などを副え、そのまま布で縛って固定してください。(※雑誌を使うなどの方法もあります。)

・打ち身(皮下出血)があるものの、患部を動かせる場合は、氷水に浸したタオルなどで冷やし、様子を見てください。

けが・事故「やけど」

■こどものそばに置かないで! 〜やけどの原因になります〜
・アイロン、ストーブ、ポット、たばこ、灰皿など
・お風呂場の入口には、お子さんが一人で入らないようにカギを付けましょう。シャワーの温度も、熱すぎないように気を付けて。
・台所にも柵をするなどして、お子さんが入らないようにしましょう。
・ホットカーペットのスイッチの入れっばなしに注意しましょう。低温やけどの原因になります。

■やけどの範囲は?
 体の表面積の10%以上の場合は、
患部を冷やしながらすぐに救急車を
呼んでください。体の表面積は、
手のひら1つ分が約1%です。
 赤ちやんの場合、
頭部…20%、
胴体…20%、
手足…1本が10%
として考えます。

■やけどをしたら
・とにかく水でやけどした部分を冷やしましょう。最低10分以上は冷やすこと。衣服の上からやけどした時は、無理に脱がさず、そのまま冷やしてください。
・水ぶくれはつぶさないように、水の勢いを弱めて冷やします。水ぶくれがつぶれると、そこから雑菌が入って化膿する恐れがあるためです。もしつぶれてしまったら、消毒して清潔にしておきましょう。

 やけどの範囲が大人の手のひらより広い時は、すぐに救急車を呼びましょう。皮が黒く焦げていたり、白くなっているような場合は、範囲が狭くても救急車を呼んでください。

けが・事故「切り傷・すり傷」

■小さな傷の時は
・傷口を流水で洗い、市販の消毒薬などで消毒してください。

■大きな傷の時は
・傷口が大きく、出血がひどい時や、ガラス片、小石などが刺さっている時は、外科・整形外科をすぐ受診しましょう。または、救急車を呼んでください。

・出血が多い時の止血法

 傷口をふさぐように、
 滅菌ガーゼや清潔な布を当て、
 強く押さえます。

 出血が治まったら、
 当てた布の上から
 包帯などを巻いて縛り、
 すぐに外科・整形外科を
 受診してください。

 傷口を心臓より高くして
 寝かせると、早く出血が
 止まります。



■さびた物、汚い物で傷つけた時は
 
破傷風の予防が必要ですので、すぐに外科、整形外科を受診してください。

けが・事故「溺水(おぼれた時)」

■予防のポイント
・お風呂は溺水が起きやすい場所です。予防のポイントとしては、以下のことなどが挙げられます。
 (1)お湯(残り湯)を溜めたままにしない
 (2)お風呂場の入口にカギをかける
 (3)子ども同士でお風呂に入らせない
 (4)親が一緒に入っている時も、子どもから目を離さない

■水の吐かせ方

 立てたひざの上に、
 お子さんの胃が当たるように乗せて、
 頭を低くさせて背中をたたきます。

 小さな子であれば、
逆さにして背中を たたきます。

 時間をかけず、素早く行うこと。水を吐き出してすぐに泣き出すようならばひと安心ですが、念のため小児科を受診してください。

■意識がない時は 〜すぐに救急車を呼んでください〜
・出来るだけ大声で助けを呼び、できれば2人で協力して処置しましょう。
・水を吐かせて仰向けに寝かせた後、気道確保のために片方の手であごを持ち上げ、もう片方の手で頭を後ろにそらせます。

・呼吸が止まっている場合、人工呼吸を行います。
・それでも反応がない場合は、人工呼吸に加えて心臓マッサージを行ってください。

けが・事故「鼻血」

■止血の方法
・顔を少し下に向け、指で小鼻を強くつまみます。そのまま10〜15分押さえてください。
・止まりにくい時は、氷水に浸したタオルなどで鼻や眉間、頭などを冷やしながら、上記の方法を試してください。

■こんな時は受診が必要です
・10分くらいの止血方法を行っても、出血が止まらない時
・頭を打った後に鼻血が出た時
・何度も鼻血を繰り返す時
・手足に皮下出血したようなあざが多数ある時

けが・事故「異物が入った」

■目に異物が入ったら
・まずはこすらないこと。角膜が傷ついてしまいます。涙で洗い流せない時は、指でまぶたを開き、弱めの流水やシャワーで洗い流しましょう。
・洗剤、漂白剤などの毒物が目に入った場合は、弱めの流水やシャワーで洗い流した後、清潔なガーゼや布を目に当ててそっと縛り、すぐに眼科を受診してください。
・目に何かが刺さった場合は、両眼をおおい、すぐに眼科を受診してください。

■耳に異物が入ったら
・虫が入った場合は、暗いところで耳に懐中電灯などの光を当てて、虫を誘い出す、オリーブ油を1滴垂らして虫を殺すなどの処置をします。その後、耳鼻科を受診してください。
・異物が入って取れない時は、ピンセットなどで無理に取り出そうとせず、すぐに耳鼻科を受診してください。

■鼻に異物が入ったら
・自分で鼻がかめる子は、異物が入っていない方の鼻の穴を押さえ、強く鼻をかませます。ピンセットなどで取ろうとしてはいけません。
・異物が取れない場合や、鼻をかめない子、赤ちやんの場合は、すぐに耳鼻科を受診してください。


くすりの上手な使い方「くすりの正しい保管のしかた」

■直射日光、高温、多湿を避ける
 くすりは一般に光・熱・湿気に弱いので充分注意してください。特に湿気はくすりを分解させる最大の原因となりますが、湿度によっては更に分解が促進されることがあります。
 日光が当たるところや、高温、多湿の所には保管しないでください。
 冷蔵庫に保管すると良いでしょう。車の中は温度が高くなることが多いので置き忘れないように注意しましょう。

■薬箱にはくすりだけ
 くすりは食品などと一緒に保管しないでください。また、ナフタリンなどの防虫剤、殺虫剤は絶対に入れてはいけません。
 カップやスポイトの添付されているくすりは、常にそれらを清潔にしておいてください。

■古いくすりは使わない
 使用期限の切れた古いくすりは捨てましょう。
 くすりの外箱には、購入した日と開封した日を書いておくと便利です。

■他の容器に入れ替えない
 くすりを他の容器に入れ替えると、内容や使い方が分からなくなり、誤用や事故のもとになります。用法・用量等が書いてある説明書と常に一緒に保管しておきましょう。
 また、医師から処方された薬は、処方された人だけのものです。他の人のくすりと間違えないように区別して保管しましょう。

■薬箱・救急箱はきまった場所に
 薬箱・救急箱はどんな急場にもすぐ間に合うように、置き場所を決めておくことが大切です。
 ただし、小さなこどもの手の届くところにくすりを置いたり、保管したりしないでください。不要なくすりを捨てる時も、こどもの目に触れないように処分することが大切です。

くすりの上手な使い方「事故・中毒をふせぐために」

■時間帯に注意しましょう
 誤飲、誤食の事故は、多くの場合不注意が原因で起きます。こどもの誤飲事故は、原因となる物により多発する時間帯も違います。
 ・タバコ………………午前8時、午後8時
 ・石けんや洗剤………午前9時、午後6時
 ・化粧品………………午前10時
 ・衣料用防虫剤………午前10時〜11時(年間を通してみると、5月や10月、つまり衣替えの季節に多い)
 ・絵の具・クレヨン…午後3時〜6時
 この時間帯は、原因となる物がこどもの身の回りに散らかっている時間帯と重なるのです。つまり、家庭で起きる誤飲事故は、身の回りの後始末や部屋の整理・掃除をキチンとすることでふせぐことができるのです。

■食品の瓶等には食品以外は入れてはいけません
 飲みかけのジュースの空き缶を灰皿代わりにして、中に吸い殻を捨てている人を見かけます。こどもがその缶を見て、ジュースだと思って飲んでしまう事故が起きています。この時、缶に残っていたジュースに、大量のニコチンが溶け出していますから、飲んだこどもはニコチン中毒を起こしてしまいます。誤飲による中毒を避けるためにも、家庭でのタバコはやめましょう。
 他にも、茶渋を取るために茶碗に漂白剤を入れてテーブルに置いていたら、こどもが誤って飲んでしまった事故や、食用油のビンに洗剤を入れておいたために、誤ってその洗剤でチャーハンを作って食べてしまった事故など、うっかり事故の例は枚挙にいとまがありません。
 空き缶、空きビン、一升ビンなど、食品を入れる容器には、その食品以外のものは絶対に入れてはいけません。同様に、お菓子の空き箱に薬品を入れておくことも避けるべきでしょう。
 食品ふうの形・色・におい・名前を付けた文房具などの製品も、事故を引き起こすもとです。ビスケットなどに似た消しゴムが出回っていた時、これを食べてのどに詰まらせたこどもがいました。充分に気を付けましょう。


救急車を呼ぶときは

■まずは落ち着いて!

 オロオロしているだけでは、何にもなりません。落ち着いてお子さんの様子を観察し、医師や救急隊員からの質問に答えられるようにしましょう。
 救急車を呼ぶ程の症状の時は、一刻を争います。電話での救急隊からの質問に対しては、要点を簡潔に答えてください。お子さんの様子をメモするなどの工夫も有効です。

■伝えるべきこと

「救急」であること…119番に電話すると、最初に「火事ですか? 救急ですか?」と聞かれます。「救急」であることをはっきり伝えましょう。

こどもの症状…お子さんが(「何をして」)「どんな様子、症状である」ことを伝えます。

住所、氏名、今話している電話番号、来てほしい場所とその目印…救急隊から、あなたに連絡を取って聞きたい事柄があるかも知れません。「今話している電話番号」は、必ず伝えるようにしましょう。
 来てほしい場所ははっきりと。救急隊の到着を早めるために、目印になる物(場所)も伝えると良いでしょう(前もって、自宅の場所の目印を確認しておきましょう)。

■救急隊の指示を守る
 お子さんの状態を伝えた時、救急隊から「人工呼吸」や「心臓マッサージ」をしてほしい、などの指示をされることがあります。逆に、「動かしてはならない」というような場合もあります。いずれにしても、救急車の到着までに、救急隊からの指示をしっかり守ってください。

■医師からもらっている薬があれば、必ず持って行く
 病院に行けばくすりがあると考えがちですが、普段かかっている病院でない場合は、お子さんの情報は何も分かりません。また、病院によっては保管していないくすりもあるので、医師からもらって飲んでいるくすりがあれば一緒に持っていきましょう。