べにばな(キク科)

エジプト原産のキク科の2年草で、古くから南ヨーロッパ、中近東、インド、中国などで栽培され、現在もわが国では、山形県の尾花沢周辺で栽培されている。紅藍花、臙脂花とも呼ばれるのは口紅や染料に用いられたためであり、黄から赤に変化した後に摘み取るため末摘花ともいわれる。 ※平成14年7月掲載

生薬名:紅花(こうか)

薬用部:管状花

効用:紅花の成分には色素のカルタミン、サフロールイエローのほか、フラボノイドのカルタミジン、ネオカルタミジンなどが含まれ、煎液には血圧降下作用や免疫賦活作用、抗炎症作用などが知られている。漢方では、さまざまな「お(やまいだれに於という字)血」による症状に用いる。月経不順や月経困難症に四物湯として配合して用いる。(桃紅四物湯)また、当帰・牛膝・桂皮などと配合して(折衝飲)、産後の下腹部痛に用いる。なお、蕃紅花はサフランのことである。

用法:花3〜5gを1日量として煎じて服用する。

採取時期:6月の開花期

調整法:よく乾燥して用いる。