ナンテン(メギ科)

中国やインド、日本の南部に分布しているメギ科の常緑低木で、中国では南天竹子と呼ばれている。市場品でも赤南天と白南天とに区別されているが、薬用には白南天のほうが賞用されている。※平成12年12月掲載

生薬名:南天実(なんてんじつ)・南天葉(なんてんよう)

薬用部:種子・葉

効用:果実にはアルカロイドのドメスチンやイソコリジンなどが含まれ、ドメスチンには知覚神経や末梢神経を麻痺させ、心臓の運動を抑制する作用がある。漢方では止咳の効能があり、咳嗽や喘息に用いられる。葉から研究されて開発されたトラニラストは抗アレルギー薬(リザベン)として利用されている。漢方薬の八味丸とあわせ、白内障のかすみ目や視力低下に用いられる。

用法:種子は1日量5〜10gを煎じ、数回に分けて服用する。葉は10枚程度に水200mlの割合でジュースにする。

採取時期:種子は12月頃、葉は必要時

調整法:種子は12月頃採取して日干しにする。乾燥には時間がかかるので注意する。